INDEX(非常口)

アガット包囲網 その裏

「・・・これで、いいかしら?」
 二人残されたギルド内、からかうような素振りを消して依頼の確認を促す。
 達観したような面持ちは、瞳を閉ざすことで、全てを見通す賢者の如き威風を湛えている。

 「・・・意地を張らせるだけかもしれないわね?」
 「あるいは、致命的な決裂をもたらすかもしれないのよ?」
 「・・・・・・・。」
 「・・・分の悪い賭けね。」


 「・・・・・・。」
 「・・・届くわけないんです。・・・この気持ちは、届くわけないんです。」

 「何度も諦めたんです。溢れ出す度、思い出す度に、頬をつねって、頭を叩いて、・・・あの 人のことを想っちゃいけないって。」
 「一緒に旅をして、色んなことがあって、力も経験も、気遣う優しさ とか、いざという時の 判断とか、相手を納得させる交渉術、心を繋ぐ人との絆、怖い人に怯えない明確な思想体系、」
 「・・・足りない私は、好きになっちゃいけないんです。」

 「・・・なにより、年の離れた私は、ずっと、ずっと後ろを歩いてて。ずっと追い付けなくて。 」
 「妹の立場に居続けることも、駄目なんです。そこはミーシャさんの場所だから。」
 「だから、駄目なんだって、忘れるんだって・・・。」
 「・・・・・・。」

 「・・・でも、朝、目が覚めると最初に思い浮かぶんです。誰かとお話してても、考えてしま うんです。夢の中に現れるんです、製図してても、修理してても、お料理しててもお掃除してて もっ。」

 「・・・だから、絶対イイ女になるって、覚悟決めちゃいましたから。」
 「一緒に居て良かったって言わせるって。」
 「ぎりぎりのところまで追い込まれても、それでも一緒に歩こうって。」

 「届かなくてもいーんです。何度でも、想い続けちゃいますから。」
 「賭けじゃないんです、繰り返し何度でも、私の道が出来るまで愛しちゃいますから。」
 「・・・宣戦布告なんです。絶ッ対に逃がさないって。」
 「・・・結果が出たら、報告に来ますから。」



    立ち去る後姿も見ず、心に浮かんだ一人の名を、胸の中で眠りにつかせる。
    黒髪を一房添えて。東方の詩を口ずさむ。心のざわめきを抑えるように。



 「なにしてやがる、とっとと片付けるぞ。」
 「はい、えへへ。」
 「おいおい、気持ちワリィ笑い方すんな。」
 「アガットさん、ちゃんと前見てください。」
 「な、てめ。」
 「覚悟してください、えーーーい!」



JJJさんより、同盟参加のときに頂いてしまいましたと言いますか、一緒に書かれていたので強奪してまいりました。
ティータがかわいくて、最後のアガットさんの台詞にどっきりです。4年後だと、ティータもしっかり乙女なんですよね。
JJJさんどうもありがとうございました。
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